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くくくって、実は声をあげて笑いそうになったよ。
心の中では、笑っていた。同時に暗くもなったけど、でも笑って、俺お得意の解りやすいサディズムで声をかけるのだけはやめておいた。 君にだよ。 十年以上になる。あの地下のライブハウスで、最後に君にあった時に君は、すごく光に満ち溢れていた。月並みな言い方に違いないが、すごい力を感じた。 君は、あのライブハウスですごいイベントディレクターになっているものだと思っていた。 俺は、そのライブハウスから、香具師とともに出て小さな形で大きな仕事をする会社を作った。小さな光しか見えなかった。殆ど闇で、その闇から逃げるように数年後に自分で小さな仕事を始めた。そしてまた闇。闇から闇へ渡り歩くのが自分の商売なのかと誤解をするようにもなった。それでいいのだろうとなんとなく自分を納得させた。そんなものか、そんなものさ。笑顔なんぞ、すべて作りものだと思っていた時期も、様々なエネルギーに揉まれて地の底をくぐっていた時期もあった。血も舐めた。 それもどうにかやっと過ぎて普通の生活が始まりそうなそのとき、君を見つけたのだ。 笑える、すごく笑えたよ。目を疑った。 あのときの光なんかまるで見えない。 しみったれた君を見て、そんなはずはないと思った。 なんだその雑巾を顔に被らされたあとのような目は、そのみすぼらしい服装は。 今の自分とあの頃の君と、逆転したのだ。 少なくとも今の自分は、こんなにみすぼらしくはない。 大きなデパートで君は、お菓子の型を探していた。 店員にものを聞くのもオドオドとして、一体何なんだ? あの頃ならもっと攻撃的だったろうに。 何があったのか。 まあいいさ、ちょっと俺が自分の人生を悪くないと思っただけの話なのだから。 PR |
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