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この市営の建物に、このファーストフード店がある理由をぼくは、知らない。
そして、このファーストフード店がこの建物の十階という悪条件の中、どうやって採算を取っているのかは知らない。 更に、このファーストフード店で二人のおばちゃんと一緒に高校をやっと出た位の女の子が働いている理由は、まるでわからない。 でも、僕は、この場所が好きだ。 ここのカウンターの席は真正面がガラス張りで、真下に街並みが、真正面に空が見える。 僕は、この席で一番安いお茶を飲み、外の景色を眺める。 偶に、風に流された竜が雲の間に見えることがある。 鱗が、冬の薄日でさえもきらきらと輝く。巨体がうねっている。 ところがはたと、自分が流されていることに気がつくのか、慌てたように尾で雲を打つと、どこか遠くの方へ泳いでいく。 子供の頃、同じ光景を見ていたら、あれは、竜が居眠りをしていたのだと誰かに教えて貰った事があった。 風は、今日も東から西へ流れている。今日も竜が見えそうだ。 PR |
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