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【2024/04/28 06:19 】 |
私の優しい彼氏の話
私の青いワンピース。
ベルベットの深くて柔らかなワンピース。それはドレスに近かった。着る機会も少ないので、部屋着に使う事が多かった。
彼はとても優しかった。
だから、私が青いワンピースを着ているときに私の部屋へやってきた。
彼はとても優しい。
だから私のお腹の辺りを、それはそれは美しい銀色に輝く夢のような刃物で切り裂いた。
青い服は裂かれた辺りから紫色に染まってゆく。
私は、背筋と脳が淡く燃えるのを感じて倒れかけた。
彼は優しいから、そんな私をそっと抱き抱えて、ゆっくりと横たえる。
突き刺したままの刃物を彼が縦に動かす。
私の皮膚の割れ目、その奥の暗い場所から、赤黒い液体が吹き出して、私の青いドレスのお腹を紫色に染め上げる。
痺れるように揺らぎ始めた私の感覚。
すると不意に刃物は引き抜かれた。
鋭いものが体から消えた感覚に、もの寂しさを感じた。
彼はあまりにも優しかったから、私のその部分を指でなぞった。
彼の指が赤く染まる。赤く染まった指が傷の縁を這う。柔らかな欲情が、私の心を激しく揺さぶろうとしているのがわかった。
「だ…め…」
口に出せたのか、それとも出せなかったのか自分でもよくわからない。
でも、彼は私の言いたい事が何なのかわかっていた。
「大丈夫、心配しないで」
彼は片手で私の髪の毛を撫でる。もう一方の手で私に開けられた隙間を撫でる。
指が私の中へ入り込んだとき、私の中に光線が走った。
赤く濡れた指で、彼は私の中をかき混ぜた。
どこかの臓器に触れた指が、私を快楽の頂点へと押し上げる。
「はあぁあぁくっ、あっあぁ」
思わず声が漏れた。彼は優しかったから、私の隣に横になりそんな私の唇を唇で塞いだ。
彼の唇は血の味がした。
私は彼の背中に両の腕を回す。
彼は、私の肩口に手をかけて私の体の上で腰を沈めた。
彼の下半身はいつの間にか露わだった。
その露わな下半身の一部分が、私の割れた腹部へ侵入した。
彼の動きとともに私の周りが赤々と染まってゆく音が聞こえる。
私は彼の頭を抱き寄せる。
彼は優しく私の頬に頬ずりをした。
私を包む彼の優しさは、私の意識と共に遠ざかっていった。

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【2011/03/26 20:57 】 | 未選択 | 有り難いご意見(0) | トラックバック()
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